国立民族学博物館(みんぱく)は、博物館をもった文化人類学・民族学の研究所です。

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(8)映像からくみ出す音楽  2010年7月21日刊行
福岡正太(文化資源研究センター准教授)

「見て、聞いて」が実現した民博の新音楽展示場

3月に国立民族学博物館の音楽展示が新しくなった。太鼓、ゴング、チャルメラ、ギターという4種類の楽器を選び、世界各地から集めた資料を展示した。楽器には独自の知恵と意匠が表れており、見ているだけでも楽しい。

だが、私たちが最も力を入れたのは、映像を駆使して、それらの楽器から生み出される「音楽」を伝えることだ。5年をかけて、世界各地でさまざまな音楽を記録した。展示場には30を超えるモニターが設置され、展示された楽器から、どのような音楽が生み出されるかを見ることができる。

ただし、楽器の演奏を映せば音楽を伝えられるわけではない。ある人にとっての音楽が、別の人には雑音でしかないこともある。音楽と人々の人生のかかわりをとらえ、私たちの音楽との共通性やつながりを見つけることができたとき、それを音楽として受け止めることができる。

私たちは、人々が音楽を奏でる文脈やそこに込められた思いも、映像でとらえることを目指した。果たしてこれらの映像から「音楽」をくみ出していただくことができるのか、ぜひ皆さんに見ていただきたいと思っている。

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