国立民族学博物館(みんぱく)は、博物館をもった文化人類学・民族学の研究所です。

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韓国の食

(1)赤だけではない料理いろいろ  2015年10月1日刊行
朝倉敏夫(国立民族学博物館教授)

12日まで食べられる白いランチ(左)と赤いランチ

韓国料理といえば、赤くて辛いが一般的なイメージである。しかし、韓国料理の基本は、陰陽五行説にもとづく「五味五色」で作られるものである。

赤くて辛い料理のもととなるトウガラシは、16世紀頃に伝来し、普及するのは18世紀と考えられる。つまり、赤くて辛い韓国料理は、そんなに古いものではない。

国立民族学博物館で8月から開催中の特別展「韓日食博」では、五感で韓国の食文化を感じてもらえるよう、本館のレストランだけでしか味わえない韓国料理のメニューを用意することにした。

「五味五色」はもともと赤、白、黄、青(緑)、黒であるから、韓国料理は5色で表現できる。しかし、韓国で料理を習ってきた林三樹夫シェフと相談して、おなじみの「赤いランチ」と意外性を感じていただくために「白いランチ」を作った。ことに白いランチは「混ぜて食べる」「包んで食べる」「汁に入れて食べる」という韓国のご飯の食べ方も体験でき、好評である。

さて、10月13日からは、第2弾として赤と白の食材を組み合わせた「朱白御膳(しゅはくごぜん)」、青(緑)と黒の食材を組み合わせた「青玄(せいげん)御膳」にチャレンジすることにした。どんなメニューに仕上がっているかは、ぜひめしあがりに来ていただきたい。

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