旅・いろいろ地球人
よそ者?
- (1)東日本大震災での支援 2013年10月17日刊行
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日高真吾(国立民族学博物館准教授)
宮城県石巻市での文化財レスキュー=2011年7月、筆者撮影未曾有の被害をもたらした東日本大震災。東北地方の貴重な文化財も数多く被災した。そこで、文化財に関係する全国の機関が集まって「東北地方太平洋沖地震被災文化財等救援委員会」(救援委員会)を設立し、被災した文化財の救出、一時保管、応急処置を活動の柱とする文化財レスキュー事業をした。
活動範囲は、宮城県から岩手県、茨城県、福島県へと広がり、多くの文化財を救出できた。ここでの活動は、被災現場の教育委員会や博物館担当者と外からの支援者が連携して行うものである。したがって、いろいろな地域ごとにやり方や考え方はさまざまで、受け入れ担当となった被災地の方は、さぞ困惑したかと思う。それでも、この文化財レスキュー事業は実に多くの成果を上げることができた。
なぜ、成果を上げられたのか?
それは、惨憺(さんたん)たる状況下で、地域文化そのものが消滅するかもしれないという危機感を共有した被災地の担当者、外からの支援者それぞれが、なんとか東北地方の豊かな文化を残すという目的でぶれることなく合致していたからだろう。そして何よりも、自身の生活が大変なときでも、外からの支援者をしっかりと受け入れて、地域復興に立ち上がった被災地の方々の強さがあったからだと思う。
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