国立民族学博物館(みんぱく)は、博物館をもった文化人類学・民族学の研究所です。

みんぱっく 活用例「共生・・・世界のさまざまな文化を知ろう  ~総合学習発表会“世界不思議発見”」

 
Let's みんぱっく!!-活用例-
吹田市立千里丘中学校
「共生・・・世界のさまざまな文化を知ろう
 ~総合学習発表会“世界不思議発見”」
●学習期間:平成18年5月~9月
●学年:1年生 5クラス
*パックの利用期間
平成18年9月15日~9月29日
総合学習発表会に使用
●学習のテーマ・・・・共生 
世界にはさまざまな人々が暮らしており、先祖から受け継いだ知恵を活かし、それぞれの土地にあった文化をつくり上げてきました。5月に国立民族学博物館を訪れ、世界各地の民族の文化に触れ、その文化を身近に感じ、理解を深めました。そのまとめとして、各自が興味を持った地域の文化について調べ、紙新聞作りを行いました。
2学期の総合学習発表会に向けて異文化への興味・関心を更に深く掘り下げ、5つの地域に絞って異文化理解を深め、世界のさまざまな地域との共生について考えたいです。

 
●1学期の取り組み
5/12 フィールドワーク(国立民族学博物館)
各クラス10~12班に分かれ、展示(12地域)から選ぶ。
選んだ地域の衣・食・住・生活・宗教・言語・音楽・美術などについて調べる。
配布されたワークシートにスケッチ、メモ、わかったことなどを書き込む。

ワークシートをもとに、各自紙新聞を作成する。
総合学習発表会で展示する。
●2学期の取り組み
「みんぱっく」を使い、調べ学習・展示を行う。
9/28総合学習発表会
5つの地域に絞り、人々の暮らし、伝統、文化、宗教、抱える問題などを調べ発表する。
(各クラス1つの地域を調べ、発表)
●「みんぱっく」を使った活動について
5クラス全体で・・・・調べ学習として利用。
9/28の総合学習発表会の劇発表にて衣装を着用しました。
展示は各クラス調べた国(パック)のことを四方の壁に新聞や模造紙で発表し、机を利用してそれぞれの地域の特徴が感じられる個性的な展示でした。
 
「極北を生きる」・・・
彼らの生活はどのようなものか(衣食住)を学習する中で、見せて、さわり、着てみました。極北に住む動物について学習し、それらの動物と彼らの生活の関係も学習しました。またそれらの動物が減っているのが何故かを学習しました。
岸上先生のお手伝いもあり、極北異変や、環境問題についても考えることが出来、自分たちの問題と関連させて考えることが出来ました。
★教室一杯の巨大なクジラの展示がとても迫力がありました。また、環境問題などの調べ学習にも随分力を入れ、模造紙での発表がとても説得力がありました。

「アンデスの玉手箱」・・・
実物をテーブルに並べ、班ごとに時間を区切り、着たり、さわったり、ならしたりした。舞台発表では、衣装を着用し、教室ではアンデスをテーマに展示しました。
★ナスカの地上絵、マチュピチュ、コンドルなどを制作し、展示しており、「みんぱっく」のものとうまく融合されて、アンデス地域の特色がよく出ていたと思います。
乾燥トウモロコシ、乾燥ジャガイモなどの展示もメスシリンダーを使ったりと、随所に工夫が見られました。

「ジャワ文化をまとう」・・・
ある程度事前にジャワの事を調べさせた上で、1時間使って実物を見せたり、説明する時間で「みんぱっく」を利用しました。
教室での展示では、パックの中身をその他に用意したものと上手く組み合わせて展示しました。
★模造紙に大きく描かれた背景が展示物と相まって、ジャワの雰囲気がたっぷりでした。

「イスラム教とアラブ世界のくらし」「アラビアンナイトの世界」・・・
調べ学習(夏の宿題)の後、事前にビデオで学習したりしてから「みんぱっく」の実物を使用した。両パックのモノを上手く組み合わせて、イスラム圏の文化を表現するよう教室展示しました。
★ちぎり絵で、モスクやアラビアンナイトの一場面、モザイク柄などを表現し、パックのモノを工夫して並べていて、イスラム圏の雰囲気がとても出ていました。

「ソウルスタイル」・・・
事前学習に実物を見たり、着たりし、総合学習発表会当日は劇発表で衣装を着て、その後教室展示でパックのモノと一緒に展示しました。
★「チャングム」のテーマ曲が流れていて、楽器もたくさん並び、韓国の雰囲気がとても出ていました。

生徒が作った紙新聞
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生徒達の様子
実物に触れることが出来、生徒達全員がとても興味を持ちました。特に各パックの衣装には人気が集中し、イヌイットの衣装は臭いにとても反応していたにもかかわらず、男子生徒がほとんど試着してみるほどでした。
普段見たことのない物に対してはとても興味深く見ていました。
「アラビアンナイトの世界」パックについてはパックを開いたときに、まず臭い(独特の香り)に驚いており、リュックサックや本にも興味が集中していました。衣装は女子が特に興味を持っていました。

先生方の感想
* 本やインターネットで調べるだけでは限界があるので、ビデオや実物を見たり、さわることにより、各地域への興味・関心が深まり、世界をより身近に感じることが出来たと思います。
* 大変効果があったと思います。とても分かりやすく学習出来たと思います。
* 自分自身、学生の頃に海外に行ったこともなく、本物に触れたことがなく、今回目の当たりにして外国への興味がわきました。子ども達も同じ気持ちなのではないだろうかと思います。手に取ったり、肌で感じたり耳や鼻で感じることの出来る資料の豊富さにびっくりしました。
* 岸上先生のお手伝いもあり、極北異変や環境問題についても考えることが出来、自分たちの問題と関連させて考えることが出来ました。やはり、ただ調べるより“Seeing is believing”です!

担当者より一言
当館から近い学校ならではの利用法をご紹介しました。
今回の総合学習は1学期の当館でのフィールドワークを皮切りに、1学期~2学期を通しての長い取り組みでした。
「みんぱっく」を利用したのは発表会を含めた2週間ではありましたが、フィールドワークとして当館へ調べ学習に来ているので、やはり、深い学習が出来たのではないでしょうか。
また、夏休みには、学年の担当教員全員で来館され、事前学習ということで、「みんぱっく」の中身を確認され、先生方自身が学習しました。そういったこともあり、発表当日には、迫力の展示が出来上がったのだと思います。
発表会当日は、非常に活気があり、調べ学習の成果が各パックとともに教室一杯に展示されており、非常に見応えのあるものでした。ただモノを展示するだけではなく、それらに関連する地域について、しっかりしらべているなぁ、と感心させられました。
1学期のフィールドワークの成果として、紙新聞も丁寧に仕上がっていて、当館教員からも非常に好評でした。
全員の分は掲載出来ませんが、一部、お借りした中からご紹介していますので、ぜひご覧下さい。

*今回は来館され、事前に学習の内容を聞き、相談を受けた上で、6パック同時利用となりました。
多くのパックを同時利用されたい場合は、学習プランを担当者へお伝え頂き、ご相談下さい。