旅・いろいろ地球人
くむ
- (7)足を組む 2010年7月14日刊行
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菊澤律子(民族文化研究部准教授)
足のさばきぶりも人それぞれ=国立民族学博物館のパーティーで「足を組む。良いマナー?悪いマナー?」。私の「悪い」というつぶやきは周りの声にかき消され、先生はにっこり笑い「もちろんこれはOKね」。
実はこれ、オランダ・ライデンでのオランダ語の授業でのこと。今日のテーマはお行儀ということで、先生のオランダ語での講義が続く。「ただし、いつも両足がそろっていることが絶対条件よ」。続くは実演。そうか、そんなふうに組めばカッコイイんだ。
足を組んでも、膝(ひざ)と膝を重ねて背すじを伸ばすと、きちんとして見える。膝から下は平行に。ところが実際にやってみるとこれが見かけほど簡単ではない。
そもそも床に足が届いていないと無理だし、必要な筋力がないとポーズを保てない。背骨にとっても良くないんだろうな。でもこれができれば、短いスカートで も足がそろってきれい。前に座ったお兄さんが困って目をそらすような必要もない。と、ここまで考えて、ちょっと待てよ。膝がきちんとそろっていれば足を組まなくてもお兄さんを困らせる理由はないはず。
結論。洋の東西を問わず、おしゃれにはたゆまぬ努力が必要。一朝一夕に美人はできないのである。そんなことを学んだオランダ語の(?)授業であった。シリーズの他のコラムを読む
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