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映画
- (3)デジタルで様変わり 2013年9月5日刊行
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杉本良男(国立民族学博物館教授)
韓国・釜山国際映画祭に招かれたインドの監督、俳優たち=2010年、筆者撮影今年春から日本でインド映画がまとめて上映され、中でも「きっと、うまくいく」は大いに人気を呼んだようである。この映画はボンベイ(ムンバイ)でつくられたヒンディー語映画だが、10年以上前に大ヒットした「踊るマハラジャ」は南インドのタミル語映画である。
この半世紀近く、インドは映画製作本数にかけては世界一であり、ここ数年は毎年1000本以上の作品が作られている。また、日本だけでなく、アジア各国を含めた世界市場にも本格的に進出している。
20世紀最大のエンターテインメントといわれた映画はテレビの普及によって一時斜陽になったが、世界的に、デジタル時代になって息を吹き返してきた感がある。撮影・上映も、昔ながらの35ミリフィルムからデジタル撮影によるものやDVD映写が使われるように変わってきた。最初から劇場上映を想定せず、DVDだけを売ろうとする映画さえ作られている。
映画館も様変わりで、単独上映館は少なくなって、いわゆるシネマコンプレックスが主流である。当然チケットはネット予約で宅配もしてくれる。休憩時間に欠かせないポップコーンやソフトドリンクも予約できて、席まで運んでくれるサービスぶりである。
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