国立民族学博物館(みんぱく)は、博物館をもった文化人類学・民族学の研究所です。

民族学者の仕事場:Vol.1 佐藤浩司―イントロ

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現代韓国の一市民の生活をそっくりそのまま紹介した特別展「2002年ソウルスタイル ─ 李さん一家の素顔の暮らし」(実行委員長:朝倉敏夫)は、大きな反響を残して去る7月16日閉幕しました。
そのユニークな展示を担当したのは佐藤浩司さんです。
今回は、佐藤さんの今日に至るまでの研究活動について徹底インタビューしました。

─ 佐藤さんの研究は、一応建築人類学ということでよいですか?
佐藤浩司の写真
佐藤 そうですね。はい。
─ 民博では「2002年ソウルスタイル」という韓国の特別展が終わったばかりですが、佐藤さんはその準備調査の段階からかかわって展示を作ってこられたんですよね。
佐藤 もともと私は韓国の研究者ではないんですが、特別展で住まいもふくめて現代の衣食住をテーマにするという話だったので、それだったらお手伝いしますよということで展示にかかわりはじめました。李家のアパートの生活財調査自体は、純粋に展示のためのデータをあつめることが目的だったんです。今回は、たまたま調査家族が展示まで了承してくれましたが、もちろん最初から展示のメインになると考えていたわけではありません。まずはソウルのアパートを調べてみようと考えてはじめたことだったのです。

 

【目次】
イントロ住まいの調査手法住まいの原型フィリピン・ルソン島の民家と日本の古代住居調査作業屋根裏の空間水上生活者バジャウと狩猟採集民プナン何のための住居住居に向けられたエネルギーマイホームの共同研究会消費財としての住居巣としての住居空間と人間関係ホームレス住居と記憶四冊の本重みを失う空間