異文化を学ぶ
いまどきの異文化
「異文化」と肩を並べて、あるいはそれ以上に最近では「多文化」という言葉がよく使われる。
現在、日本人の結婚20組のうち1組が国際結婚であるし、わが国の総人口は停滞気味であるのに外国人登録者数は確実に増加している。
諸外国に比べて日本はまだ多文化社会とはいえないが、その道に踏みだしていることは疑いない。グローバル化の波を押しとどめるすべはない。かつて一定の地域に根をおろしているとされていた「文化」と「民族」も大きな変貌をとげている。
身近になった異文化、私たちの身体に、家庭に、心のなかに入りこんでいる異文化の多様なすがたを、国立民族学博物館の教員たちが逐次報告していく。
国立民族学博物館 館長 松園万亀雄
毎日新聞夕刊(2005年4月6日)に掲載
バックナンバー
嗣(つ)ぐ・承(つ)ぐ・継ぐ・接ぐ
- 2009年2月4日「受け継がれる旅の営み」三島禎子
- 2009年2月18日「「頭目」の責任」野林厚志
- 2009年2月25日「フルサト」森明子
- 2009年3月4日「桜はきれい?」笹原亮二
- 2009年3月11日「技芸の継承」杉本良男
- 2009年3月18日「ソマリの人々のラクダ文化」池谷和信
- 2009年3月25日「家を継ぐ」八杉佳穂
便利?不便?
- 2008年12月3日「バンドンの住居表示」福岡正太
- 2008年12月10日「カヴァの席を囲む」丹羽典生
- 2008年12月17日「パソコンの中の言語」山本泰則
- 2008年12月24日「不便の恩寵(おんちょう)」田村克己
- 2009年1月7日「韓国の親族呼称」朝倉敏夫
- 2009年1月14日「デンマークの公共空間─皆の場所」鈴木七美
- 2009年1月21日「ヤシの葉のうちわ」齋藤晃
- 2009年1月28日「チベット人と虫歯」長野泰彦
創世神話
- 2008年10月1日「ローマ建国神話」宇田川妙子
- 2008年10月8日「国旗と神話」鈴木紀
- 2008年10月15日「ビルマ建国神話」田村克己
- 2008年10月22日「『創世記』が『王書』と出合ったら」山中由里子
- 2008年10月29日「女媧─中国の創生女神」韓敏
- 2008年11月5日「オロチの射日神話」佐々木史郎
- 2008年11月12日「砂漠の中の川床の謎」池谷和信
- 2008年11月19日「ポリネシアへのヒト拡散史を映すマオリ創世神話」久保正敏
- 2008年11月26日「利用された創世説話」佐々木利和
陸を越え海を渡ったモノ
- 2008年8月6日「交易と商人」新免光比呂
- 2008年8月13日「タカラガイ」飯田卓
- 2008年8月20日「アフリカへ渡った緑茶」三島禎子
- 2008年8月27日「芋の名は」白川千尋
- 2008年9月3日「インドの「紅茶宣伝隊」」三尾稔
- 2008年9月10日「インドのガラスミラー」上羽陽子
- 2008年9月17日「イオニア海の金柑(きんかん)」近藤雅樹
- 2008年9月24日「間宮海峡を渡った絹織物」佐々木史郎
バブリーなアジア
- 2008年6月4日「動産社会から不動産社会へ」小長谷有紀
- 2008年6月11日「台湾大学事情」野林厚志
- 2008年6月18日「火の鳥を求めて」樫永真佐夫
- 2008年6月25日「音楽カセット・バブル」福岡正太
- 2008年7月2日「開発バブルと先住民」信田敏宏
- 2008年7月9日「タイのクレジットカード」平井京之介
- 2008年7月16日「王制という「バブル」」南真木人
- 2008年7月23日「インドのITバブル」杉本良男
- 2008年7月30日「ラクダレース」西尾哲夫
労働と宗教
- 2008年4月2日「日曜はダメ?」松園万亀雄
- 2008年4月9日「プジャがなければはじまらない」三尾稔
- 2008年4月16日「畑仕事とキリスト教」白川千尋
- 2008年4月23日「工場の精霊」平井京之介
- 2008年4月30日「日曜日は安息日!?」宇田川妙子
- 2008年5月7日「イスラーム的働き方」三島禎子
- 2008年5月14日「アーミッシュの仕事と遊び」鈴木七美
- 2008年5月21日「仕事の時間、祈りの時間」信田敏宏
- 2008年5月28日「神さまの都市」中牧弘允
特別版
中国は今
- 2008年2月6日「国家級無形文化財になった春節」韓敏
- 2008年2月13日「大量生産される民族文化」樫永真佐夫
- 2008年2月20日「多文化都市の高齢者ホーム」鈴木七美
- 2008年2月27日「「満州国」邦人民家のいま」太田心平
- 2008年3月5日「知的財産権と民族文化」横山廣子
- 2008年3月12日「チワン族の高床式住居の今」塚田誠之
中国と世界
- 2007年12月5日「パリのカルチェ・シノワ」園田直子
- 2007年12月12日「中国とアフリカの近い関係」三島禎子
- 2007年12月19日「ふえる中国レストラン」庄司博史
- 2007年12月26日「ネズミ?ブタ?」野林厚志
- 2008年1月9日「アラビアンナイトと中国」西尾哲夫
- 2008年1月16日「魚皮衣の人びと」佐々木利和
- 2008年1月23日「ボツワナの中国人」池谷和信
- 2008年1月30日「国民のあらたなかたち」佐藤浩司
都市
- 2007年10月3日「抵抗する家」信田敏宏
- 2007年10月10日「メキシコ市」八杉佳穂
- 2007年10月17日「南インドの都市の音楽」寺田吉孝
- 2007年10月24日「テーマパーク化する都市」川口幸也
- 2007年10月31日「「シンカンセン」の違和感」笹原亮二
- 2007年11月7日「先住民のアデレード観光」松山利夫
- 2007年11月14日「国で見る都市、人で見る都市」陳天璽
- 2007年11月21日「市章」近藤雅樹
- 2007年11月28日「観光都市ならではの稼ぎ」南真木人
移動する
- 2007年8月1日「空を飛ぶ」西尾哲夫
- 2007年8月8日「夏の放牧地に羊を追う」新免光比呂
- 2007年8月15日「氷上の移動」岸上伸啓
- 2007年8月22日「托鉢(たくはつ)僧」平井京之介
- 2007年8月29日「マダガスカルまで6000キロ」飯田卓
- 2007年9月5日「母系制と妻方居住」 信田敏宏
- 2007年9月12日「ポリネシアへの大移動」印東道子
- 2007年9月19日「駕籠(かご)」日高真吾
- 2007年9月26日「言葉を超えてこそ」出口正之
海と人
- 2007年6月6日「海上交易」白川千尋
- 2007年6月13日「海を越えるお宝」印東道子
- 2007年6月20日「開拓者としての漁民」飯田卓
- 2007年6月27日「グローバル化」菊澤律子
- 2007年7月4日「三角帆の発明」久保正敏
- 2007年7月11日「海水のこと」小林繁樹
- 2007年7月18日「追憶」林勲男
- 2007年7月25日「危険と楽しみ」ピーター・マシウス
花
- 2007年4月4日「伝統の花十種」田村克己
- 2007年4月11日「墓地は花園」宇田川妙子
- 2007年4月18日「削りバナ」近藤雅樹
- 2007年4月25日「桜とプラントハンター」吉田憲司
- 2007年5月2日「1輪を贈る」森明子
- 2007年5月9日「サクラ模様のジャワ更紗(さらさ)」吉本忍
- 2007年5月16日「インカの王と花」関雄二
- 2007年5月23日「草原の花暦」小長谷有紀
- 2007年5月30日「除虫菊」松園万亀雄
成長と試練
- 2007年2月7日「教室を出て学ぶ」飯田卓
- 2007年2月14日「いい"気"になる武道修行」廣瀬浩二郎
- 2007年2月21日「ジュウル・ルナアル著『にんじん』を読む」近藤雅樹
- 2007年2月28日「掛川祭り」横山廣子
- 2007年3月7日「フィールドで心の鍛錬」野林厚志
- 2007年3月14日「上山下卿」韓敏
- 2007年3月28日「みんぱくは30歳」朝倉敏夫
もてなしのかたち
- 2006年12月6日「やさしさ」吉田憲司
- 2006年12月13日「チャーイの作法」三尾稔
- 2006年12月20日「自家製」森明子
- 2006年12月27日「「お持ち帰り」でもてなす」白川千尋
- 2007年1月10日「最高のもてなしはテンジクネズミの姿焼き」山本紀夫
- 2007年1月17日「中国の宴会」塚田誠之
- 2007年1月24日「イヌイットのもてなし」岸上伸啓
- 2007年1月31日「塩茶とバター」南真木人
色
- 2006年10月4日「愛馬の名はパンティー」山本紀夫
- 2006年10月11日「green」ピーター・マシウス
- 2006年10月18日「韓国のチマ・チョゴリ」朝倉敏夫
- 2006年10月25日「中国の「紅事」と「白事」」韓敏
- 2006年11月1日「砂漠の緑」西尾哲夫
- 2006年11月8日「ビーズの色で愛のメッセージ」池谷和信
- 2006年11月15日「白」中牧弘允
- 2006年11月22日「チベット語の色」長野泰彦
- 2006年11月29日「赤い海」佐々木利和
おしゃれにきめる
- 2006年8月2日「アボリジナルの腕時計」松山利夫
- 2006年8月9日「インドの男性誌」杉本良男
- 2006年8月16日「時を携帯する」林勲男
- 2006年8月23日「マレー人女性とベール」信田敏宏
- 2006年8月30日「豊かな伝統」吉田憲司
- 2006年9月6日「アフリカン・プリントのルーツ」吉本忍
- 2006年9月13日「装い?化け?」竹沢尚一郎
- 2006年9月20日「変わり塗り」日高真吾
- 2006年9月27日「流行の方向」野林厚志
働くということ
- 2006年6月7日「貸本」近藤雅樹
- 2006年6月14日「自立する女性たち」小長谷有紀
- 2006年6月21日「高度成長へのまなざし」樫永真佐夫
- 2006年6月28日「出稼ぎ」塚田誠之
- 2006年7月5日「テレホンカードと移民労働者」陳天璽
- 2006年7月12日「職のないのが当たり前」八杉佳穂
- 2006年7月19日「自然相手の仕事」飯田卓
- 2006年7月26日「仕事の代償」佐藤浩司
いきいき五感力
- 2006年4月5日「気づきと築きの触文化展」廣瀬浩二郎
- 2006年4月12日「味覚」菊澤律子
- 2006年4月19日「音がきざむ時と空間」山中由里子
- 2006年4月26日「眼(め)の力」三尾稔
- 2006年5月10日「嗅覚の神秘」横山廣子
- 2006年5月17日「興奮を味わう」印東道子
- 2006年5月24日「初級・ハノイの道路の渡り方」樫永真佐夫
- 2006年5月31日「「言語」としての手話の奥義」出口正之
伝統芸能最前線
- 2006年2月1日「ベリーダンス」西尾哲夫
- 2006年2月8日「ロシア民謡」佐々木史郎
- 2006年2月15日「ワイノと若者」関雄二
- 2006年2月22日「カンボジア影絵の映像記録」福岡正太
- 2006年3月1日「南インドの結婚式と音楽」寺田吉孝
- 2006年3月8日「掛け合い歌」南真木人
- 2006年3月15日「子どもと大人をつなぐもの」野林厚志
- 2006年3月22日「平和の祭典」小林繁樹
- 2006年3月29日「「洞経(ドンジン)」音楽」韓敏
あいまいさの文化
- 2005年12月14日「文化の豊かさを見る」久保正敏
- 2005年12月21日「ベルリン・ポツダム広場」森明子
- 2005年12月28日「いい歌い手の条件」笹原亮二
- 2006年1月4日「半人半霊」白川千尋
- 2006年1月11日「ルーマニアのストリゴイ」新免光比呂
- 2006年1月18日「通訳と巫術(ふじゅつ)」中牧弘允
- 2006年1月25日「鍛冶屋」田村克己
グローバルとローカル
- 2005年10月5日「コンビニ」川口幸也
- 2005年10月12日「マクドナルド」平井京之介
- 2005年10月19日「イランのインターネット・カフェ」山中由里子
- 2005年10月26日「情報化の受けとめ方」庄司博史
- 2005年11月2日「映画の力」横山廣子
- 2005年11月9日「村から世界へ」三島禎子
- 2005年11月16日「動物保護」池谷和信
- 2005年11月30日「英語の国際語化」菊澤律子
- 2005年12月7日「クリスマス」宇田川妙子
モノめずらしいくらし
- 2005年8月3日「乗り物」日高真吾
- 2005年8月10日「ブーメラン」久保正敏
- 2005年8月17日「うちわで汗をかく」野林厚志
- 2005年8月24日「釣り針」印東道子
- 2005年8月31日「はかり」飯田卓
- 2005年9月7日「絵の具」園田直子
- 2005年9月14日「携帯電話」菊澤律子
- 2005年9月21日「携帯電話2」石井正子
- 2005年9月28日「モノからゴミへ」竹沢尚一郎
生きものをめぐって
- 2005年6月8日「ウサギ」松山利夫
- 2005年6月15日「ヒツジ」三島禎子
- 2005年6月22日「ネズミ」森明子
- 2005年6月29日「イヌ」野村雅一
- 2005年7月6日「オオカミ」新免光比呂
- 2005年7月13日「ゾウ」阿部健一
- 2005年7月20日「ウシ」押川文子
- 2005年7月27日「ブタ」帯谷知可